特定技能所属機関が作成・保存しておく2つの文書

✔ 特定技能所属機関(受入れ企業)は、「外国人の活動の内容に係る文書」を作成
✔ 特定技能所属機関(受入れ企業)は、「1号特定技能外国人支援の状況に係る文書」を作成
✔ 文書の保存期間は、特定技能雇用契約の終了の日から1年以上
特定技能所属機関(受入れ企業)は法律に基づき、外国人の「活動の内容に係る文書」と「1号特定技能外国人支援の状況に係る文書」の2つの文書を作成し、特定技能雇用契約の終了の日から1年以上保存する必要があります。
それでは、この2つの文書について詳しくみていきましょう。
活動の内容に係る文書
特定技能雇用契約の適正な履行の確保のため、特定技能雇用契約に係る外国人の活動の内容に係る文書を作成し、外国人が業務に従事する事業所に備えて置く必要があります。文書の保存期間は、特定技能雇用契約の終了の日から1年以上です。
「活動の内容に係る文書」には、少なくとも次の事項が記載されていなければなりません。
1.特定技能外国人の管理簿
ア 特定技能外国人の名簿
(必要的な記載事項)
・氏名
・国籍、地域
・生年月日、性別
・在留資格、在留期間、在留期間の満了日
・在留カード番号
・外国人雇用状況届出の届出日
イ 特定技能外国人の活動状況に関する帳簿
(必要的な記載事項)
・活動(就労)場所(派遣形態の場合、派遣先の氏名または名称、住所)
・従事した業務の内容
・雇用状況(在籍者、新規雇用者、自発的離職者、非自発的離職者、行方不明者)に関する内容
・労働保険(雇用保険、労災保険)の適用状況
・社会保険(健康保険、厚生年金保険)の加入状況
・安全衛生(労働災害、健康診断を含む。)の確保状況
・特定技能外国人の受入れに要した費用の額、内訳(※)
・特定技能外国人の支援に要した費用の額、内訳
・休暇の取得状況(一時帰国休暇の取得状況を含む。)
・行政機関からの指導または処分に関する内容
(※)雇用する特定技能外国人に対する毎月の報酬の支払状況として、口座振込であれば口座振込明細書を「特定技能外国人の受入れに要した費用の額、内訳」に係る添付資料として、特定技能外国人の活動状況に関する帳簿に編てつします。
2.特定技能雇用契約の内容
・特定技能雇用契約書
3.雇用条件
・特定技能雇用条件書
4.特定技能外国人の待遇に係る事項が記載された書類
・賃金台帳、給与明細等
・氏名
・性別
・賃金計算期間
・労働日数
・労働時間数
・時間外労働、休日労働、深夜労働の時間数
・基本給、手当その他賃金の種類毎にその額
・労使協定により賃金の一部を控除した場合はその金額
5.特定技能外国人の出勤状況に関する書類
・出勤簿等
6.他の法令で作成が義務付けられているもの
例)口座振込同意書、賃金控除協定、36協定、変形労働時間協定
1号特定技能外国人の支援の状況に係る文書
1号特定技能外国人支援計画の実施の確保のため、1号特定技能外国人支援の状況に係る文書を作成し、支援を行う事業所に備えて置く必要があります。文書の保存期間は、特定技能雇用契約の終了の日から1年以上です。
「1号特定技能外国人支援の状況に係る文書」とは、少なくとも次の事項が記載されていなければなりません。
1.支援実施体制に関する管理簿
・支援を行う事務所の名称、所在地、連絡先
・職員数(常勤・非常勤職員数の内訳)
・支援実績(各月における支援人数、行方不明者数)
・支援責任者の身分事項、住所、役職、経歴(履歴書、就任承諾書)
・支援担当者の身分事項、住所、役職、経歴(履歴書、就任承諾書)
・対応可能な言語、同言語による相談担当者に関する事項(委託契約書、通訳人名簿)
2.支援の委託契約に関する管理簿
・支援業務に関する事項(委託契約書)
・支援経費の収支に関する事項(支援委託費含む。)
3.支援対象者に関する管理簿
・1号特定技能外国人の氏名、生年月日、国籍・地域、性別、在留カード番号
・1号特定技能外国人支援計画の内容(支援計画書)
・支援の開始日
・支援の終了日(支援を終了した理由を含む。)
4.支援の実施に関する管理簿
A 事前ガイダンスに関する事項
B 空港等への出迎え及び見送りに関する事項
C 住居の確保及び生活に必要な契約に関する事項
D 生活オリエンテーションに関する事項(関係機関への同行に関する事項を含む。)
E 日本語習得支援に関する事項
F 相談等に関する事項
G 日本人との交流促進に関する管理簿
H 転職支援に関する事項
I 定期的な面談に関する事項
まとめ
この2つの文書は、特定技能雇用契約の適正な履行の確保のため、また、1号特定技能外国人支援計画の実施の確保のために、正確に作成し保存しておく必要があります。
2つの文書のうち、「1号特定技能外国人支援の状況に係る文書」は、登録支援機関に支援の全部を委託する場合であっても作成・保存する義務があります。
これらの文書は参考様式がなく各自作成する必要がありますので、作成する際はこの記事を参考にしてみてください。
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