1号特定技能外国人を受け入れ可能な14業種

✔ 「特定技能」で1号特定技能外国人を雇用することができるのは、国が指定した14業種のみ
✔ 受入れ人数の多い業種は、飲食料品製造業、農業、産業機械製造業(2020年5月末現在)
✔ 建設、造船・舶用工業のみ特定技能2号での受入れ可
特定技能外国人を受け入れることができる分野(業種)は、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にあるため、外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の14分野(特定産業分野)です。
具体的な特定産業分野については、次のように定められています。
特定産業分野(14分野)
①介護 ②ビルクリーニング
③素形材産業 ④産業機械製造業 ⑤電気・電子情報関連産業
⑥建設 ⑦造船・舶用工業 ⑧自動車整備 ⑨航空 ⑩宿泊
⑪農業 ⑫漁業 ⑬飲食料品製造業 ⑭外食業
①介護 ②ビルクリーニング
③素形材産業 ④産業機械製造業 ⑤電気・電子情報関連産業
⑥建設 ⑦造船・舶用工業 ⑧自動車整備 ⑨航空 ⑩宿泊
⑪農業 ⑫漁業 ⑬飲食料品製造業 ⑭外食業
※特定技能1号は14分野で受入れ可。「建設、造船・舶用工業」のみ特定技能2号での受入れ可
分野別運用方針について(14分野)
①介護分野
人材基準 | 技能試験 | 介護技能評価試験 |
日本語試験 | ・国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 ・介護日本語評価試験 |
|
その他重要事項 | 従事する業務 | ・身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの 実施、機能訓練の補助等) ※訪問系サービスは対象外 |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・厚労省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・厚労省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと ・事業所単位での受入れ人数枠の設定 |
②ビルクリーニング分野
人材基準 | 技能試験 | ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・建築物内部の清掃 |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・厚労省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・厚労省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと ・「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受けていること |
③素形材産業分野
人材基準 | 技能試験 | 製造分野特定技能1 号評価試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・鋳造 ・鍛造 ・ダイカスト ・機械加工 ・金属プレス加工 ・工場板金 ・めっき ・仕上げ ・機械検査 ・機械保全 ・塗装 ・溶接 ・アルミニウム陽極酸化処理 |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・経産省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・経産省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと |
④産業機械製造業分野
人材基準 | 技能試験 | 製造分野特定技能 1 号評価試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・鋳造 ・鍛造 ・ダイカスト ・機械加工 ・塗装 ・鉄工 ・電子機器組立て ・電気機器組立て ・プリント配線板製造 ・プラスチック成形 ・金属プレス加工 ・溶接 ・工場板金 ・めっき ・仕上げ ・機械検査 ・機械保全 ・工業包装 |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・経産省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・経産省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと |
⑤電気・電子情報関連産業分野
人材基準 | 技能試験 | 製造分野特定技能 1 号評価試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・機械加工 ・金属プレス加工 ・工場板金 ・めっき ・仕上げ ・機械保全 ・電子機器組立て ・電気機器組立て ・プリント配線板製造 ・プラスチック成形 ・塗装 ・溶接 ・工業包装 |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・経産省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・経産省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと |
⑥建設分野
人材基準 | 技能試験 | 建設分野特定技能 1 号評価試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・型枠施工 ・左官 ・コンクリート圧送 ・トンネル推進工 ・建設機械施工 ・土工 ・屋根ふき ・電気通信 ・鉄筋施工 ・鉄筋継手 ・内装仕上げ/表装 ・とび ・建築大工 ・配管 ・建築板金 ・保温保冷 ・吹付ウレタン断熱 ・海洋土木工 |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・外国人の受入れに関する建設業者団体に所属すること ・国交省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと ・建設業法の許可を受けていること ・日本人と同等以上の報酬を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給を行う契約を締結していること ・雇用契約に係る重要事項について、母国語で書面を交付して 説明すること ・受入れ建設企業単位での受入れ人数枠の設定 ・報酬等を記載した「建設特定技能受入計画」について、国交省の 認定を受けること ・国交省等により、認定を受けた「建設特定技能受入計画」を適正に履行していることの確認を受けること ・特定技能外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること 等 |
⑦宿泊分野
人材基準 | 技能試験 | 宿泊業技能測定試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・フロント、企画/広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供 |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・国交省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・国交省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと ・登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、上記条件を満たす登録支援機関に委託すること ・「旅館・ホテル営業」の許可を受けた者であること ・風俗営業関連の施設に該当しないこと ・風俗営業関連の接待を行わせないこと |
⑧造船・舶用工業分野
人材基準 | 技能試験 | 造船・舶用工業分野特定技能 1号試験等 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・溶接 ・塗装 ・鉄工 ・仕上げ ・機械加工 ・電気機器組立て |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・国交省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・国交省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと ・登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、上記条件を満たす登録支援機関に委託すること |
⑨自動車整備分野
人材基準 | 技能試験 | 自動車整備分野特定技能評価試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備 |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・国交省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・国交省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと ・登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、上記条件等を満たす登録支援機関に委託すること ・道路運送車両法に基づく認証を受けた事業場であること |
⑩航空分野
人材基準 | 技能試験 | 特定技能評価試験 (航空分野:空港グランドハンドリング、航空機整備 ) |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等) ・航空機整備(機体、装備品等の整備業務等) |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・国交省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・国交省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと ・登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、上記条件を満たす登録支援機関に委託すること ・空港管理規則に基づく構内営業承認等を受けた事業者または航空法に基づく航空機整備等に係る認定事業場等であること |
⑪農業分野
人材基準 | 技能試験 | 農業技能測定試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等) ・畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等) |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・農水省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと ・登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、協議会に対し必要な協力を行う登録支援機関に委託すること ・労働者を一定期間以上雇用した経験がある農業経営体であること |
⑫漁業分野
人材基準 | 技能試験 | 漁業技能測定試験(漁業又は養殖業) |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等) ・養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等) |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・農水省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと ・農水省が組織する協議会において協議が調った措置を講じること ・登録支援機関に支援計画の実施を委託するに当たっては、分野固有の基準に適合している登録支援機関に限ること |
⑬飲食料品製造業分野
人材基準 | 技能試験 | 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | ・飲食料品製造業全般 (飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生) |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・農水省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと |
⑭外食業分野
人材基準 | 技能試験 | 外食業特定技能1号技能測定試験 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または、日本語能力試験 N4 以上 | |
その他重要事項 | 従事する業務 | 外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理) |
受入れ機関に 対して特に 課す条件 |
・農水省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと ・農水省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと ・風俗営業関連の営業所に就労させないこと ・風俗営業関連の接待を行わせないこと |
まとめ
在留資格「特定技能」での外国人雇用は、どのような業種の会社でも受け入れることが可能というわけではなく、現在1号特定技能外国人を雇用することができるのは、国が特定産業分野に指定した14業種に限定されています。
ですので、まずは自社の業務がこれらの特定産業分野14業種のいずれかに当てはまるかどうかを確認する必要がります。
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